熱田千華子作品集
時事通信社 世界週報 2002年1月22日号
第17回: ホリデーシーズン
from Ako  to Ako 
“The Four‘F's of Holiday Friction: Fantasies, Family, Food and Finances.”
「ホリデーシーズンに摩擦を起こす4つの『F』――幻想、家族、食べ物、経済状態」


知り合いのブラッドからメールが届いた。指定されたリンク先をクリックすると、eバイト・コム上に作られた、パーティーへの招待状だった。Invite(インバイト=招待する)にかけた言葉のeバイト、個人のパーティーやイベントへの招待状をウェブサイト上で簡単に作成でき、ゲストのメールアドレスを入力するといっせいに送付してくれる。

Holiday Open House「ホリデーホームパーティー」と題されたブラッドのページには、パーティーの時間や場所、連絡先などがあり、その下に彼からのメッセージが。

It's time to roll out the holly, sip some eggnog and spin the Dreidle -- Please join us for our annual holiday party -- good spirits, good food and lots of holiday cheers! (please rsvp and bring your favorite beverage) 「西洋ヒイラギを飾り、エッグノッグ(卵とミルクを使ったクリスマス用のリキュール)をすすり、ドレイドル(12月のユダヤ人の祭日ハヌカで使われるこま)を回す時期がやってきました。毎年恒例のホリデーパーティーにどうぞいらしてください。楽しい雰囲気、おいしい食べ物、ホリデー気分いっぱいです。(できるだけ早くご返事を。お好きな飲み物ご持参で)」

宗教の多様性にかんがみて、アメリカでは年末に送られるカードなどから「クリスマス」という言葉が消えて久しい。代わりに汎用的な「ホリデー」とか「ホリデーシーズン」という言葉が使われる。昨年の暮れに行ったエアロビクスのクラスの後、「メリークリスマス」と口を滑ら「ハッピーハヌカ」と付け加えていたっけ。


*この続きは書籍『イースト・コースト インターネット暮らし』(新風舎)でお楽しみください。

(時事通信社 世界週報連載『熱田千華子のあめりかインターネット暮らし』より)