熱田千華子作品集
時事通信社 世界週報 2003年10月20日号
第60回: オンライン教育
 
“Our individual courses allow you to work with experts in the field no matter where you live!”
「我が校の個別クラスは、あなたがどこに住んでいようと専門家と共に学ぶことを可能にします!」


この9月から、ある大学でビジネス関連の夜間クラスを取っている。授業は週1回とはいえ、仕事の終わりにクラスに駆け付けるのは疲れる。学校に行く楽しみの1つは、クラスメートと知り合うことだが、授業が終わるとすぐ、学生らは皆携帯電話でおしゃべりしだすので、話し掛けるきっかけすらない。先生も冷たく、学生の名前を覚える気もないよう。がっかりだ。

授業から帰ってきて、家のコンピューターの前に座り、最近はオンラインでクラスが取れることを思い出す。2年前に、コンピューターグラフィックス(CG)のクラスをオンラインで受講した。そのときはクラスのレベルと質に感動した。しかし、コンピューター関係の授業ならオンラインになじむが、その他のクラスは無理という気がずっとしている。オンラインで学ぶなんてどこか偽物という感じがしてしまうのだ。今後の参考のために現状を見てみることにした。

ボストン近郊にあるバブソン大学はMBA(経営学修士)プログラムで有名だ。ここではオンライン教育でMBAを習得できる。Fast Track MBA 「ファストトラックMBA」という社会人向けの、全過程27カ月のコースだ。同大学のサイトによると、家庭は3要素からなる。Face-to-face Meetings (once a month on the Babson campus)「対面型ミーティング(バブソン大キャンパスで月に1度実施)」、Action Learning Projects (short, highly focused assignments)「アクション学習プロジェクト(短く焦点が合った課題)、On-line Components (web-based element of the program)「オンラインの構成要素(ウェブベースのプログラム要素)」とある。月に1度学校で集まるので、オンラインだけの授業ではないようだ。


*この続きは書籍『イースト・コースト インターネット暮らし』(新風舎)でお楽しみください。

(時事通信社 世界週報連載『熱田千華子のあめりかインターネット暮らし』より)