熱田千華子作品集
時事通信社 世界週報 2004年4月27日号
第73回: 詩
 
“90% are love or breakup related poems, and about 95% rhyme. ”
「90%が恋愛、別れに関する詩で、95%が韻を踏んでいます」


非常に私的かつ恥ずかしいことなのだが、私は詩を書く。それも英語で。昨年、地元の小さな文芸誌に私の詩が掲載された時は、とてもうれしかった。以前、詩作のクラスを受講していた時、担当教授が言った。「現在アメリカで詩だけ書いて食べていける人は1人もいません。詩人を職業にしようなんて絶対考えちゃいけませんよ」。詩というジャンルがすたれた、というのはアメリカでも日本でもよく耳にする。

以前にこの連載でも紹介したレッドペーパー・コム。どんなジャンルでも自分の書いた文章を希望の値段を付けて掲載、サイトで売買ができる。このサイトでも、詩の投稿は多い。私はこのサイトでこれまで20本の詩を紹介し、それぞれに10セントという謙虚な値段を付けてきた。これまで計約百数十本売ったが、他の投稿者の作品を買わないとセールスも伸びないので、それほどもうかってはいない。

同サイトに行って、最新投稿の詩を買う。Gentle Willowさんという人の投稿によるThe Art of Laughter「笑いの芸術」という詩だ。

Truly we need to understand that laughter is the best remedy/ To depression and lost hope. Disillusionment gains clarity/ When we laugh our souls fill with the understanding of gods/ That seem to vacation when we need them the most

「笑いが最高の治療薬と理解しなければ/落ち込みや落胆、幻滅したときに明らかになる/神を理解して、心から笑う時/それこそが一番必要な休養だ」。この調子で延々と続く。

買った作品にはコメントと点数を残すことができる。私の好みの詩ではないのでコメントを残さないことにしたが、3人のコメントがあった。Christine E.B. さんという人はYou tackle the toughest, largest issues, and come out having written an answer. 「最もタフで、大きな問題に取り組み、それに答えていますね」と書く。

日替わりで投稿詩を掲載

私の詩は恥ずかしいので紹介しないが、最近の詩には今時点で8人のコメントをいただいている。Criticさんのコメントはこうだ。




*この続きは書籍『イースト・コースト インターネット暮らし』(新風舎)でお楽しみください。

(時事通信社 世界週報連載『熱田千華子のあめりかインターネット暮らし』より)