「90%が恋愛、別れに関する詩で、95%が韻を踏んでいます」
非常に私的かつ恥ずかしいことなのだが、私は詩を書く。それも英語で。昨年、地元の小さな文芸誌に私の詩が掲載された時は、とてもうれしかった。以前、詩作のクラスを受講していた時、担当教授が言った。「現在アメリカで詩だけ書いて食べていける人は1人もいません。詩人を職業にしようなんて絶対考えちゃいけませんよ」。詩というジャンルがすたれた、というのはアメリカでも日本でもよく耳にする。
以前にこの連載でも紹介したレッドペーパー・コム。どんなジャンルでも自分の書いた文章を希望の値段を付けて掲載、サイトで売買ができる。このサイトでも、詩の投稿は多い。私はこのサイトでこれまで20本の詩を紹介し、それぞれに10セントという謙虚な値段を付けてきた。これまで計約百数十本売ったが、他の投稿者の作品を買わないとセールスも伸びないので、それほどもうかってはいない。
同サイトに行って、最新投稿の詩を買う。Gentle Willowさんという人の投稿によるThe Art of Laughter「笑いの芸術」という詩だ。
Truly we need to understand that laughter is the best remedy/ To depression and lost hope. Disillusionment gains clarity/ When we laugh our souls fill with the understanding of gods/ That seem to vacation when we need them the most
「笑いが最高の治療薬と理解しなければ/落ち込みや落胆、幻滅したときに明らかになる/神を理解して、心から笑う時/それこそが一番必要な休養だ」。この調子で延々と続く。
買った作品にはコメントと点数を残すことができる。私の好みの詩ではないのでコメントを残さないことにしたが、3人のコメントがあった。Christine E.B. さんという人はYou tackle the toughest, largest issues, and come out having written an answer. 「最もタフで、大きな問題に取り組み、それに答えていますね」と書く。
日替わりで投稿詩を掲載
私の詩は恥ずかしいので紹介しないが、最近の詩には今時点で8人のコメントをいただいている。Criticさんのコメントはこうだ。
*この続きは書籍『イースト・コースト インターネット暮らし』(新風舎)でお楽しみください。
(時事通信社 世界週報連載『熱田千華子のあめりかインターネット暮らし』より)