「どうぞ私を誘惑して。『人生とは大胆な冒険であり、それなしで何が人生でしょう』」
友達のセスと、ニューハンプシャー州の彼のおばさん、アニーの家に行った。アニーは69歳、40代で離婚した後、こぢんまりした綺麗な家に1人で住んでいる。近所の短期大学で長くアメリカ史を教えた後、最近引退した。多趣味で、近頃はインターネットにのめりこんでいた。
夕食をしながらしゃべっていると、突然アニーが「10月から2ヶ月間、カリフォルニアの海辺で過ごすことにしたわ」と言う。2ヵ月半とは長い。詳細を聞くと、住居の交換の手続きをするウェブサイトの会員になり物色したところ、サンタバーバラに住む夫婦と2ヶ月間、家の交換をする手はずが整ったとのこと。「会ったこともない人に家を明け渡すわけ?」といぶかる我々を、アニーは早速コンピューターの前に誘う。
*この続きは書籍『イースト・コースト インターネット暮らし』(新風舎)でお楽しみください。
(時事通信社 世界週報 2001年9月25日)