熱田千華子作品集
時事通信社 世界週報 2003年1月28日号
第42回: 新年のメッセージ
 
“As we move forward into the New Year, I encourage all Americans to give thanks to the Almighty for His many blessings.”
「新年に向け、すべてのアメリカ人が全能なる神に感謝するように」


昨年末、テレビのコマーシャルや企業などから届くダイレクトメールに、Have safe holidays 「安全な休暇を」というフレーズが多かった。対イラクの緊張したアメリカ国内の空気を反映していて、気分がめいってしまった。

日本に住む家族によると、私がアメリカに住んでいることを知ると大抵の日本人が「危ないから日本に帰ってくればいいのに」と言うそうだ。ニューヨークなどでの同時多発テロは1年以上前のことだし、今やテロ被害は世界に広がっている。しかし、アメリカが危ない、という印象を抱かれがちなのは、好戦的としか見えないアメリカ政府の対応が一つの原因だろう。

アメリカで働き税金を払う身としては、他の国の爆撃ばかりに国費が使われているのはいたたまれない。アメリカには、福祉や教育の面で世界に立ち遅れていることが山のようにある。その是正に政府はもっとエネルギーを使うべきだと最近憤ることが多いので、新年に際し、ホワイトハウスのサイトヘ行ってみた。ブッシュ大統領がこの国をどこへ引っ張っていきたいのかが分かるはずだ。

まず大統領の新年挨拶があった。To counter new threats, we are enhancing security at home, and we are part of the global coalition against terrorism that has made significant progress in opposing the forces of tyranny and oppression.「新しい脅威に立ち向かうため、国内の安全を強化し、テロリズムに対するグローバルな連帯の一部として、独裁政治と圧制に対抗する重要な進歩をなし遂げてきました」と始まる。


*この続きは書籍『イースト・コースト インターネット暮らし』(新風舎)でお楽しみください。

(時事通信社 世界週報連載『熱田千華子のあめりかインターネット暮らし』より)