熱田千華子作品集
時事通信社 世界週報 2001年12月4日号
第14回: ルームメート
 
“Prefer no major partiers or tv-addicts, please.”
「派手なパーティー好きやテレビ中毒の人はお断り」


ボストンでインターネット関連の仕事を始めたため、引っ越すことにした。今すんでいる場所から通えないことはないのだが、車でハイウエー片道1時間は、運転が大嫌いな私には辛い。

ボストンの家賃は非常に高い。東京よりもずっと高く、目が回るようだ。3、4年前まではこんなことはなかったのだが、ドットコム・バブルで家賃が急上昇した。バブルがはじけた後の今もまだ下がる気配はない。昨年どこかで読んだが、アメリカで家賃の高い年の順位はニューヨーク、サンフランシスコ、ついでボストンだった。

高い家賃対策は、ルームメートを持つことだ。住居空間を共有する相手を持つのはアメリカでは一般的だ。友達同士で住む例もあるが、圧倒的に多いのは見も知らぬ人を選ぶこと。ルームメート募集の広告は新聞や雑誌、喫茶店やスーパーの掲示板、街の電柱などにあふれている。

一人暮らしを始める前は、私も本屋の掲示板で見つけた3人のルームメートと一軒家を借りていた。日本にいる家族は「赤の他人と住むなんて!」と驚いたもの。確かに一人で住む方が気楽だが、背に腹は代えられないし、家に帰ったときに誰かいるのは気分転換にもなる。悲惨な仲たがいに終わる例も多いが、私は幸いにも、元ルームメートらと今も仲が良い。

今度もルームメートを持とう。頼る先はインターネットである。友人推薦のウェブサイト、イージールームメート・コムに行く。住居がありルームメートを探している人、またルームメートとして入居する場所を探している人は、無料が広告が出せる仕組みだ。これらの広告を見て連絡を取る際に同サイトに料金を払う。


*この続きは書籍『イースト・コースト インターネット暮らし』(新風舎)でお楽しみください。

(時事通信社 世界週報連載『熱田千華子のあめりかインターネット暮らし』より)