熱田千華子作品集
時事通信社 世界週報 2001年11月20日号
第13回: ダイエット
 
“I believe the terrorist attacks have brought me to this point of easing my anxiety with good.”
「テロ攻撃のせいで不安感を食べ物でいやすことになってしまったみたい」


アフガニスタンへの攻撃が続き、炭疽菌事件の被害は拡大する一方のアメリカ。しかし、同時多発テロが起きた9月11日からしばらく人々の間に満ちていた緊迫感は、少なくとも私の周辺では、ほとんど消えた。「アメリカは2度と9月11日以前の状況には戻れない、なんてよく聞いたけど…」とアメリカ人の友人、「完全に元に戻ったなあ」

平和な日常が表面的にでも戻ってくると、つまらないことに気を取られるもの。知り合いのハイジは50代半ばで、自宅を改造し民宿を経営している。9月末に電話で話した時は、テロで客足が遠のいた、第2次テロ報復が怖いなどとつぶやいていた。しばらくたち、またハイジから電話があった。開口一番、「やせたのよ。5キロも」。何があったのか聞くと、「仕事が暇なんでインターネットであちこちウェブサイトを見ているうち、会員制のダイエットクラブを見つけたの。入会して言われる通りのことをしてたら、2週間でこんなにやせちゃった」。

あとまだ10キロは落とす、と張りきるハイジからの電話を切った跡、私も早速、このサイト「eダイエット・コム」へ行く。サイト紹介にはこんな文章が。

With eDiets.com, you can lose 10 pounds in only 5 weeks; our professional staff will help you every step of the way! You’ll also have 24/7 access to your personalized eDiets.com program. 「eダイエット・コムに入会すると、当方の専門スタッフの指導の下、あなたもたった5週間で約5キロは減量できます。24時間いつでも、あなたのためのプログラムにアクセスできます」


*この続きは書籍『イースト・コースト インターネット暮らし』(新風舎)でお楽しみください。

(時事通信社 世界週報連載『熱田千華子のあめりかインターネット暮らし』より)